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変形労働時間制、北海道で条例が成立 来春適用に現場は慎重

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 昨年の法改正で可能になった公立学校教員の1年単位の「変形労働時間制」の導入を巡って、北海道議会が11日、全国で初めて条例を可決した。政令指定都市の札幌市を除く道内の公立学校で来年度から導入できるようになる。ただ、教員の長時間勤務が解消されていないとして、学校現場では来春からの適用には慎重な見方を示している。
 1年単位の変形労働時間制は、繁忙期の勤務時間を延ばす代わりに、夏休みなどの長期休業期間に休みをまとめ取りできる制度。教員の働き方改革の一環として昨年12月に成立した改正教職員給与特別措置法に明記された。1970年代に主任制導入で紛糾した北海道が、今回は全国に先駆けて成立させたことで統率力を誇示した形だ。
 一方、学校現場からは導入に戸惑いの声も上がる。札幌市のある小学校の校長は「残業時間の上限を守れていない以上、導入は難しいと思っていたので、条例が成立したことには驚いた」と話す。来年度から適用するかどうかは学校現場に任されているが、すぐに適用することは難しいとする考えを示す。
 道内の別の公立小学校の校長は「他県より夏休みが短い上、閉庁日を設ける学校が増えている。休日をまとめて確保できる時間が本当にあるのか疑問が残る」と言う。
 「長時間労働を助長する」として導入反対を訴えてきた北海道教職員組合の木下真一委員長は「業務縮減や教職員定数を改善して、勤務時間を守れる状況でなければ条例を定める意味はない」と指摘する。学校が適用した後には「遅くまで残る教員といつも定時で帰る教員とでは周囲の見え方も変わってくる。職場に分断が起きる恐れがある」と危惧する。

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