三河のペスタロッチたち 三河の風土に生きた教師
14面記事安井 克彦 編著
人間教育に傾注した22人の生き方
本書の表紙カバーに次のような熱烈なる、コピーが書かれている。
<混迷する教育現場で苦闘する教師たちに、真の教師の生き方、あり方を伝える励ましの書>
本書を一気に読み終え、教師人生の素晴らしさを改めて感じ取った。
また、本書に紹介されている愛知県の三河地方の22人の先達の業績を思いながら、全国にも「ペスタロッチ」級の教師は、数多くいたのだとも評者は思いたい。
学校や教師が、野放図に批判の的になり、教育現場がブラック化して、教職を目指す若い人が激減しているといわれる昨今である。しかし、この本で紹介されている先人の教師の生き方に触れれば、もっと教師人生に希望が持てるはずである。
編著者の安井克彦氏は書いていた。<ここに登場していただいた二二名の先生方は、いずれも教育の理想を掲げ、子ども・学校を中核にした人間教育をされた先生ばかりです。まさに三河のペスタロッチであり…>
本書を読みながら、人間教育という古い言葉がもう一度、よみがえってほしいと切に望みたくなった。コロナ禍であるからこそ、教師による人間教育の質が問われるのである。
(2000円 黎明書房)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)