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教育委員会による給食費徴収 高知6割、富山・宮崎はゼロ

3面記事

文部科学省

文科省調査

 学校給食費の徴収を学校ではなく、地方自治体が行う「公会計化」の実施率を文科省が昨年12月1日現在で調べたところ、最高だった群馬県は76・0%に達した一方、富山県と宮崎県はゼロだったことが分かった。学校給食費の公会計化は、教職員の長時間労働を是正する「働き方改革」の一環としても、文科省は導入を勧めている。このような調査結果を公表するとともに、先行して公会計化を導入した自治体の具体例も示した。
 この調査は学校給食を実施している小学校、中学校とそれに相当する段階の学校、特別支援学校、夜間定時制高校を設置管理している教育委員会を対象として実施。給食費を無償にしている自治体は集計から省いた。
 全国状況は、「実施している」が26・0%、「準備・検討している」が31・1%、「実施を予定していない」が42・9%だった。
 「予定していない」と答えた割合が最も多かった佐賀県は76・5%に達した。同県の導入率は11・8%だった。他に、「予定していない」と答えた割合が多かった県は、熊本県(72・7%)、新潟県(64・5%)など。
 実施率がゼロだった富山県は56・3%、宮崎県は57・7%だった。
 導入事例として紹介した長野県塩尻市の場合は平成25年度から導入。それまでの1年間を準備期間に充てた。教委内に3人体制の担当係を新設し、検討・準備を進めたという。
 本年度の徴収方法の内訳は、口座振替が50・39%、児童手当からの天引きが48・49%、現金での支払いが1・12%。
 導入後、運用が軌道に乗ってからは担当の係を2人体制にした。児童手当からの天引きは、給食費未払いの家庭にとどめず、希望する全ての家庭が選択できるようにしたことで、効率的に徴収できているという。
 これに先立ち、文科省は昨年7月、給食費の公会計化を導入するための手順を「学校給食費徴収・管理に関するガイドライン」としてまとめ、公表している。

文部科学省

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