ネットを通しての発信力を強化 平和祈念展示資料館
10面記事 戦後75年が経過し、戦争体験者が少なくなる中、いかに戦争の記憶を若い世代に継承していくかが今日の課題となっている。東京・西新宿の平和祈念展示資料館では、第二次世界大戦における「兵士」「戦後強制抑留者」「海外からの引揚者」が体験した労苦を次世代に伝えるため、インターネットを通して情報を提供することにも力を入れている。
約3000人の体験者の証言や手記をまとめた労苦体験手記集『平和の礎』、体験者の証言映像、抑留と引揚げを分かりやすく描いた漫画を製作し、ホームページで公開している。
同ホームページには、若い世代には聞きなれない言葉を解説した「用語解説」のページも用意している。昨年度からは、同資料館が所蔵する資料を簡単に検索・閲覧できる「所蔵資料情報公開システム」を導入した。さらに、体験手記を基にした、俳優達による朗読や一人芝居などを、インターネットを通じて視聴できるような取り組みも進めている。学習者は、自宅や学校にいながらさまざまな情報収集が可能だ。
同資料館を訪問する際の事前学習や訪問後の復習としてこれらのコンテンツを活用すれば、教育旅行をより充実させることができる。
問い合わせ=平和祈念展示資料館 Tel03・5323・8709
https://heiwakinen.go.jp