日本の子ども 精神的な幸福度は先進国最低レベル ユニセフが報告書
2面記事ユニセフ報告書
先進国の子どもの幸福度について、国連児童基金(ユニセフ)が国際調査などの結果をもとに分析した報告書で、日本は38カ国中20位とされた。分野別では「精神的な幸福度」が37位と最低レベルだった。生活満足度の低さや自殺率の高さが影響していた。
報告書は経済協力開発機構(OECD)や世界保健機関(WHO)などの2015~2019年までの調査や統計を用いて分析。「精神的な幸福度」「身体的な健康」「読解力・数学分野の学力・社会的スキル」の3分野で示した。
総合順位の1位はオランダで、いずれの分野でも高かった。2位はデンマーク、3位ノルウェー。最下位はチリだった。
日本は「身体的な健康」が1位だったが、2018年の学習到達度調査(PISA)から分析した「読解力・数学分野の学力・社会的スキル」では27位。読解力と数学は高かったが、社会的スキルが最低レベルだった。
精神的な幸福度は15歳の生活満足度と15~19歳の自殺率を指標にした。
生活満足度はオランダ(90%)やメキシコ(86%)、ルーマニア(85%)などで高く、日本は62%、最下位のトルコは53%だった。
自殺率は最も低いギリシャが10万人当たり1・4人、ポルトガルが2・1人だったのに対し、韓国は7・3人、日本は7・5人だった。最も高いリトアニアは18・2人だった。
報告書は、幸福度と関連のある環境や政策の分析も行っている。
その中で、外遊びと幸福度の関係では、日本のデータはないものの、10歳前後を対象にした調査で、毎日外遊びをしている子どもはめったに外で遊ばない子どもより、どの国でも幸福度が高かった。
また困った時に頼りになる人がいるかを尋ねた調査では日本は88・9%で国際平均を約2ポイント下回った。報告書は3日に公表された。