高校教員の4割、世界大学ランキングが「役に立ちそう」
NEWS 河合塾グループの「KEIアドバンス」(東京・千代田区)は先月15日、業務提携している英国の大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ社」(QS社)と2021年版のQS世界大学ランキングについて、ウェブセミナー形式で解説を行った。
日本の高校教諭を対象に行ったアンケート調査の結果を紹介。43%がランキングを「役に立ちそう」と評価していた。
6月下旬に発表されたQS大学ランキングでは各国・地域から1002校が参加。大学の総合的な評価では、日本の最上位は東京大学で24位だった。京都大学は38位だった他、東京工業大学や大阪大学、東北大学なども100位内に入った。東大・京大はアジア圏内のランキングで13位、15位となっている。東京工業大学は前年度のランキングより一つ順位を上げ、17位だった。
KEIアドバンスが事前に公立・私立高校の教諭115人を対象に行ったアンケート調査では、回答者の43%が世界大学ランキングに対して「役に立ちそう」(15%)または「少し役に立ちそう」(28%)と回答していた。
役に立つと考える理由を自由記述で尋ねると、「生徒が各大学を知る1つの指標になる」、「国内のみならず国外への大学進学につながる。進路指導のグローバル化が可能になる」などの声が挙がった。
一方で「役に立たなそう」(13%)、「あまり役に立たなそう」(33%)という声には「一概にランキングだけで良し悪しを決められない」、「生徒に世界大学ランキングに対する意識が育っていない」などの回答があった。
QS社の担当者は会見で、日本の大学の傾向について「グローバル化に対応するための見直しが必要となる」などと評価した他、同社のシニアバイスプレジデントのベン・ソータ―氏は「グローバル化の面では外国人人材が極端に少ないなど、課題が多く残る。解消が急がれる」と話した。
この他、参加大学を対象に行った調査では、日本の大学は学生に対する教員の比率は大きく336位に位置するものの、雇用する外国人の教員の割合は743位であるなど、項目によって差が開いた。
評価項目は、学部数や博士課程の在籍者数、論文の引用数をはじめ、留学生の割合や学生に対する教員の比率など学術面以外の要素なども盛り込んだ50以上の項目から成る。