高校社会「歴史総合」の授業を創る
19面記事原田 智仁 編著
新科目の指導計画や単元例を詳述
高校に、地歴科の必修科目として「歴史総合」が新設される。日本史・世界史の枠を取り払った“近現代史”の必修科目は、中等教育のカリキュラムで今までになかったもの。旧制中学校では、日本(国)史・東洋史・西洋史の3区分で扱われてきている。新制高校の世界史は、東洋史と西洋史を結合したものである。日本を除く世界の歴史が対象だ。
「歴史総合」は、
(1) 近現代史を対象とし
(2) 世界と日本を相互的視野から捉える
(3) 現代的諸課題の形成に関わる近現代史の探究
を主眼とするものだろう。2018(平成30)年告示の学習指導要領の「歴史総合」を解説し、その実践を確かなものにしようとするのが本書。
内容に目を向けよう。2章構成の本書は、第1章「世界と日本を融合する歴史授業デザイン」で、
(1) 世界と日本の歴史を融合する視点と方法
(2) 学びの意味の視点からの歴史授業デザイン
(3) コモン・グッドの視点からの歴史授業デザイン
(4) 持続可能な社会の視点からの歴史授業デザイン
(5) 「見方・考え方」の視点からの歴史授業デザイン
(6) 「主体的・対話的で深い学び」の視点からの歴史授業デザイン
で、この科目の方向性を明示。
そして第2章で「世界と日本を融合する『歴史総合』授業モデル」を示す。「歴史総合」指導計画の視点と方法に続いて、四つの単元例を詳述するのが特徴だ。
(2200円 明治図書出版)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)