おおにしせんせい
13面記事長谷川 義史 作
5年生は僕の好きな図画工作の授業がある。新しい担任の大西先生が、1時間目から6時間目まで図画工作だと言う。太い筆1本と、下敷きとバケツ一つで学校中、自分の描きたい所を描けと言った。
そこで二人の友達と一緒に描く所を探して、廊下を描くことにした。茶色一色で済ませ、あとはチャンバラごっこ。
そこへ先生が来て、廊下を茶色で塗るだけではダメだ、よく見て触ったりしてみろと。
言われた通り、触ったり、鼻や耳を近付けたりすると音が聞こえ、油やほこりやみんなの歩いた匂いもした。
給食の後に廊下を見ると違って見えた。慌てて、自分の廊下の絵に黄や青や赤で色を重ねた。僕らしい廊下の色ができた。
五感を働かせて描くことの大切さが分かる。(小学校低学年から)
(1650円。講談社 Tel03・5395・3625)
(望)