パラスポーツ体験を通じて共生社会への理解を促進
6面記事豊洲西小でのブラインドサッカーの様子
パラリンピアンや大学生など多様な講師による授業
JKA補助事業・社会応援ネットワーク
一般社団法人社会応援ネットワーク(高比良美穂代表理事)は、2019年度、全国の小中特別支援学校で出張事業「パラスポーツ応援プロジェクト」を展開した。
同プロジェクトは、“beyond2020”を見据え、パラスポーツを共に楽しむことを通して、障害の有無に関わらず、互いに尊重し合いながら共生する社会の実現に向けたもの。
19年9月からの半年間に公募で選ばれた14校、19授業を実施し、その様子をテレビ、ネット、地方紙などのメディアで詳しく報告。全国の学校で、事業理念や授業方法の共有ができるよう努めた。
20年2月10日、東京都江東区立豊洲西小学校で、ブラインドサッカーの体験授業が開かれた。
講師を務めたのは、元日本代表で、参天製薬所属の葭原滋男さん(57)。1992年のバルセロナパラリンピックから4大会に出場、陸上や自転車競技で計4個のメダルを獲得したパラリンピアンだ。アイマスクをして、体操をしたり、走ったり、ターゲットに向かってボールを蹴ったりする90分のプログラムを実施した。
参加した児童たちは、「見えないって怖いんだなあ」「難しいけど、楽しい」「メダリスト、すげー」など思い思いの感想を口にした。
2月15日、東京都杉並区立和田中学校でのボッチャの体験授業では、上智大学の学生団体「Go Beyond」のメンバー9人が講師を務めた。
競技体験の後、「共生社会に向けて個々人ができること」と題して講演。「日本語を読めない人にとって、日本語表記しかない看板は『障害』になりえる。そんな視点で街を見渡すと、私たちにもできることがあるはず」と、障害のあるなしに関わらず、助け合うことの大切さを訴えた。
これらの授業は、競輪の振興団体・公益財団法人JKAの補助と、JR東日本、教職員共済のナショナルサポーター、連合東京、神奈川県教職員組合、かながわ教職員組合連合などのローカルサポーターの支援で実施されている。
主催団体代表の高比良さんは、「子どもたちは、想像以上にパラスポーツを純粋に楽しんでいます。一度、本物に触れることがいかに大事かも実感しました。今後もネットの活用など、方法も工夫して、共生に向けた事業を続けていきたい」と思いを語った。
一般社団法人社会応援ネットワーク=https://shakai-ouen.com
和田中でのボッチャ体験授業