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新型コロナ、教員採用試験にも影響 1次や集団面接中止など

2面記事

教員志望

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止しようと、各地の教員採用試験にも影響が広がっている。多くの自治体で実施時期や試験内容の変更を検討する中、試験会場で密閉・密集・密接の「3密」へのリスクを減らすため、1次試験や集団面接、実技試験の中止を既に決めた自治体が出てきた。試験日を変えずに実施する自治体でも、試験時間の短縮や会場を増やすなどの対応を取る。
 北九州市教委は、7月12日に予定していた1次試験の筆記試験と適性検査の実施を見送る。1次試験では大人数の受験者を一つの会場に集めて行うため、「3密」を避けるのが最大の狙いだ。
 全受験者を対象に、2次試験で行ってきた模擬授業や集団討議、個人面接、実技試験を課す。1次試験の未実施に伴って2次試験の受験者数が増加することを踏まえ、8月11~12日、17~22日の当初の日程に、10日と23日の2日間を加えて対応する。
 同市教委の担当者は「筆記試験の内容は本来、大学などでの習得が基本。今後、採用前後の研修で扱うなど計画していきたい」と話す。
 三重県教委では、全ての校種を対象に1次試験と2次試験でそれぞれ予定していた集団面接を取りやめる。2次試験の実技試験では、小学校教諭と特別支援学校教諭(小学部)で「音楽」と「体育」、中学校教諭・高校教諭(保健体育)、特別支援学校教諭(中学部・高等部保健体育)では「水泳」を中止する。
 集団面接では遠くに座る受験者にも聞こえるように大きな声で話すこと、実技試験では受験者が密室で一斉に着替えたり試験時に道具を共通で使用したりすることを懸念した。
 試験内容の変更に伴い、日程を終日から半日にする。1次試験の筆答試験や2次試験の論述試験では、1教室当たりの受験者を例年の約半分である20人程度で行うという。2次試験の個人面接では、面接の開始時刻に合わせて個別に集合時刻を設定し、移動時や待機場所での「3密」を防ぐ。
 堺市教委では1次試験で実施予定だった集団討論を取りやめ、個人面接のみ行う。変更後、個人面接の主な評価の観点として「集団の中で、自身の役割を意識し、他者と協力する姿勢があるか」を追加した。
 15日現在、7月12日に1次試験を予定している神奈川県教委。試験時の密集を避けるため、1試験室当たりの受験者数を減らし、その分の試験室数を増やそうと、当初の5会場から16会場での分散実施を決めた。
 さらに、試験時間を短縮するため、2次試験の論文試験を中止する。十分な感染防止対策を取ることが困難との理由から、2次試験の模擬授業と実技試験も取りやめる。ただ、今後の状況によっては試験日や会場、内容を再度変更する可能性もあるとしている。

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