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オンライン教材活用で基礎学力向上など成果

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佐賀・武雄市の3中学校

 「スタディサプリ」のサービスを実施しているリクルートマーケティングパートナーズ(東京・品川区)はこのほど、佐賀県武雄市の公立中学校3校での導入成果を公表、同社の到達度テストの点数が上がり、基礎学力の向上などが見られたという。
 調査の対象となったのは、同市内の中学校3校。昨年度、3校では生徒一人一人の苦手分野の克服を目標にスタディサプリの教材を1年間活用した。全生徒が学び直しの教材として朝学習や「放課後学習」などに週1、2回程度使用し、学校によって授業中や夏休みなどの長期休暇講習用教材としても利用した。
 同社は昨年の5、10月に3校の全生徒に同社独自の数学の到達度テストを実施。前年度までの学習内容の定着率を検査し、2回のテスト結果を比較して学力の変化を測定した。
 結果によると、1回目に比べて2回目は平均点が全学年で上昇。特に1年生は最も点数が増え、8・9点上昇した。
 また、アプリの使用結果から、生徒が利用しているサービス内容の傾向について、学力層別に明らかにした。学力が高い層ほど問題に取り組む量が多く、低い層ほど長く動画を視聴していた。
 これらを受けて同社の担当者は、生徒の学力の定着率によって取り組む内容が異なることに触れ、「授業動画の視聴などのインプットと、演習問題に取り組むアウトプットのサイクルを見直すことで、生徒一人一人の学習行動の最適化、効率化につなげたい」と分析している。
 対象校の一つ、同市立北方中学校で昨年度まで勤務していた徳永貞康・前校長は「生徒自らが自分の課題に気付いて改善を図る手だての一つとして、教材を活用した」と話している。生徒の意欲の向上にもつながったという。
 同市は市内の全小・中学校の児童・生徒に1人1台の専用タブレットを整備。同社との連携は2017(平成29)年度から始めている。

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