新指導要録の記入例と用語例 小学校・中学校
12面記事無藤 隆・石田 恒好・吉冨 芳正ほか 編著
豊富な例、学校暦に沿った目次構成
学習指導要領の改訂に伴い、学習評価と指導要録の基本の在り方も改訂された。
本書は、日本の教育を牽引する専門家の方々による編著である。新指導要録の具体的な書き方の例が豊富に掲載されている。現場の先生方が要録を記入する際、座右の書として活用できるものである。
本書を推奨する第一の理由は、指導要録と学習評価の基礎知識が分かりやすく明記されている点にある。改訂の方針、概要、留意事項、1年を通した評価の流れ、新観点「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の評価のポイント、評価の考え方、具体的な材料、課題例などを簡潔に説明・例示している。
第二に、所見文例だけでなく、記入の必要な項目全てにおいて、多くの例を掲載している。目の前の子どもとその学びに応じて、自在に活用できる。
第三に、「入学時」「年度初め」「年度末」「卒業時」「転入学」等、学校暦に即した目次構成で、「いつ何をするか」がよく分かる。また、各項目を1から71の番号で整理していて見やすい。多忙な教師にとって必要な箇所をすぐに探せることは利点である。
第四に、本体から切り離して使える指導要録の記入見本(原寸大)が参考になる。
小学校版と中学校版があり、各校必携の書であると思う。
(各1540円 図書文化社)
(谷 智子・高知市教育委員会委員)