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過渡期を迎えた学校施設の課題~社会状況の変化や主体的な学びに対応した施設づくりを~

13面記事

施設特集

 社会状況の変化に伴い、学校施設は大きな過渡期を迎えている。まず、18歳人口の減少によって毎年500校程度の廃校が発生しており、学校単位での学級数も減少している。そのため、各自治体では公共施設の最適化・再配置の検討が進み、学校を含む公共施設を複合化させる動きが増えている。
 また、公立小中学校における特別支援学級の在籍者は、近10年間で約2倍に増加しており、国際化によって日本語指導が必要な児童生徒も増加しているなど、新たな要請にも対応する必要が生まれている。
 こうした中、最も大きな課題になるのが老朽化の進行だ。とりわけ、洋式トイレ及び空調(冷房)設備の普及率が一般の住宅と比べて大きく下回っており、生活文化の乖離や近年の厳しい気象条件に対応した教育環境の確保などの観点からも、早期の改善が求められている。
 さらに、地域と学校の連携・協働が求められる中で、放課後の子どもの受け入れなどコミュニティスクールとしての設備を充実することも重要だ。また、学校全体の9割以上が避難所に指定されているが、そのうち非常用電力等の防災機能(設備)の整備割合は5~8割程度。要配慮者の利用を想定した、スロープ等による段差解消や多目的トイレの設置などの整備割合は3~6割程度が現状で、防災機能の強化を推進する必要がある。
 その上で、学習指導要領の改訂を踏まえ、子どもたちの主体的な学びに応えるICT環境などの授業改善を促す機能向上を図っていかなければならない。だからこそ、各自治体は限りある予算を有効に活用する施策が重要になる。つまり、それぞれの優先課題を見出し、中長期的な視点に立った学校施設の改善が必要になるのだ。

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