「誰もが使いやすいノート」発達障害者の声聴き開発
2面記事大阪市の企業など
「行の濃淡を付けて」「けい線とけい線の間を太く」―。発達障害者約100人のこうした意見を基に、「誰もが使いやすいノート」を大栗紙工(大阪市)と一般社団法人UnBalanceが開発した。先月末から試験販売を開始し、発達障害の子どもを持つ保護者から反響が寄せられている。大阪府教委との連携も進める。
商品名は「mahora(まほら)」ノート。「まほら」は「住みやすい場所」や「素晴らしい場所」を表す大和言葉で、「まほろば」の語源といわれる。人々にとって使い心地のよいノートでありたいとの願いから名付けたという。
ノートの中紙には、反射によるちらつきやまぶしさを抑えた国産の色上質紙を使用。レモン色とラベンダー色の2種類を展開する。各行をはっきりと識別できるよう、レモンでは太いけい線と細いけい線を交互に引き、ラベンダーでは行ごとに色を付けた。どちらもB5サイズで、価格は税込み280円。
学校現場では電子黒板やタブレット端末の導入などによりデジタル化が進むが、依然として板書による授業が多く、子どもたちにはノートに書く作業が求められている。
同社のSNSには、ノートを購入した書字障害の子どもを持つ保護者から「ラベンダーは英語に、レモンはそれ以外の教科に使っている」との感想が寄せられた。他に「購入前は高いと思っていたが、子どもの笑顔を見れば値段以上の価値がある」との感想もある。大阪府教委とも連携し、府立高校の通級指導教室に提供している。
2月27日から限定4千冊を販売中。問い合わせはウェブサイト(https://www.oguno.jp/)まで。