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第13回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」受賞者・受賞校決定

7面記事

企画特集

最優秀賞を受賞した「ライフプランシート」(左=中・低学年の部 瀬尾さん)(右=高学年の部 松居さん)

 特定非営利活動法人=NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(略称=日本FP協会)が主催する、第13回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」(共催=日本教育新聞社、後援=文部科学省・金融庁・全国都道府県教育委員会連合会ほか)の入賞作品がこのほど決まった。
 全国から寄せられた作品総数は3093作品(学校応募75校)で、厳正な第1次選考(288作品)、第2次選考(各部門21作品ずつ)を経て、個人賞として中・低学年部門と高学年部門にそれぞれ最優秀賞1名、優秀賞と奨励賞各10名、学校賞として最優秀学校賞1校と優秀学校賞10校が選ばれた。
 両部門の最優秀賞受賞作品全文とその「ライフプランシート」を掲載する。

個人賞
中・低学年の部 最優秀賞
夢に向ってがんばるぞ!!
瀬尾 ノエル 東京都・昭和女子大学附属昭和小学校2年

 私の夢は、私がしたことで相手が心からうれしそうに喜んでくれて、私も同じようにうれしくなり心が温かくなるしごとをすることです。私はそれを実現したいので、美容師ではなく福祉美容師になりたいです。
 初めに美容師になりたかった理由は、美容師さんに髪の毛を洗ってもらったり、きれいにしてもらうと本当に気持ちが良く、お礼を言うと美容師さんも笑顔で「きれいになってすてきだよ。」といつも言ってくれるので、うれしい気持ちになるからです。あるとき、一番そん敬している美容師さんが「けがや病気で美容院に来られなくなったお客さまは、私を必要としていると思う。だから今度は私がお客さまのところへ行って髪をすてきにして、そして元気になる「ま法」をかけて、喜んでくれたらうれしい。」と、お話してくれました。
 そのお話を聞いて、美容師さんでは使えない「ま法」を使えるんだと思い、胸がドキドキして「これだ!!」と、強く思いました。
 夢の実現のため調べてみると、二年間美容学校で学び、国家試験をうけて、美容師免許を取とくします。次に福祉美容師に必要なせん門知しきを学びます。介助が必要な人のけんこう状態も考えて、薬品や刃物を使い分けないといけないことも知りました。国家試験があることを知って不安になったけれど、介助が必要な人の大切な身体をあずかるのだから難しくても当たり前だとも思いました。
 ライフプランを立ててみて、私は大学で福祉や皮ふ科学、心理学を学んでから美容学校に進もうと決意しました。理由は、知しきをたくわえ工夫して、知恵が沢山出来れば、介助が必要なお客様にもっと元気によろこんでもらえると思うからです。回り道の分、お金も時間もかかるけれど、最高のま法をかけるためには必要なことです。目あてをさしてつき進めば絶対に実現できると信じています。

個人賞
高学年の部 最優秀賞
認定臨床栄養指導医―身体の中から健康に
松居 暖佳 東京都・筑波大学附属小学校5年

 『納豆を食べるタイミングは夜!!』
納豆キナーゼが血液のめぐりに働きかける。寝ている間に血液の流れを整えてくれる。
 『卵は適度に加熱!!』
生卵や固ゆで卵は消化吸収が悪い。おなかの調子が悪いときは、茶わん蒸しや半熟ゆで卵がおすすめ。
 私はこれらのことが自然と頭に入っている。
 それは、管理栄養士の母が口ぐせのようにいつも栄養の話をしているからだ。
 先月、二〇一八年の日本人の平均寿命が、男性約八〇歳、女性約八八歳と発表された。考えてみると、母が八八歳のとき、私は五一歳になっている。現在の母でさえ、買い物がめんどくさいだとか、腰が痛いだとか自分のことで精一杯だ。それくらいの歳の私が、今以上に疲れきっている母の面倒をしないといけなくなる。大変だ。
 私の夢は、健康で長生きすること。そしてみんなを健康のままで長生きさせることをサポートできる医師になることだ。
 日々の食事で、健康を維持させ、個人に合わせた栄養素を増減させることで、健康を向上させられる、そんな栄養指導のできる医師になること、これが私の目指す医師像である。
 その夢を実現させるためには、医学部のある大学に入学できるように、まずは、中学校や高校でしっかりと学ぶ。また、医師には夜勤もあるので運動部に入り体力づくりを行う。そして、高校生になったら、様々な人と関われるように積極的に、地域や介護施設などでボランティアに参加する。その時にすべきことを考え人間性を高めていくことが大切だ。
 日本の医学部を卒業した後は、アメリカの大学に留学することも考えている。日本の医学部では、栄養指導を学ぶ機会が少ないと聞いているからだ。その点、アメリカには栄養の専門医が存在しており、特にニューヨークのコロンビア大学では、栄養や食事療法について深く学べると知った。あこがれの大学である。
 日本では糖尿病患者が増加したり、子どもの食物アレルギーが問題になっているにも関わらず、医師が直接、指導することが難しい。日本で病例の少ない病気についても、留学先では最先端の技術を学ぶことができるかもしれない。また、アメリカでは、アフリカ系、ヒスパニック系などの住民も多く、食文化の違いについても触れることができ、日本人の多様化されている食習慣に活用できると考えられる。さらに、日本人の食生活が欧米化されており、今後、アメリカ人と同じような病気も日本でも起こり始めると思われる。これらのこともふまえて、アメリカへ留学しようと思っている。
 栄養学に詳しい医師になり、食事の大切さを伝えていきたい。そして、今まで健康に育ててくれた両親に恩返しがしたい。

第13回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」受賞者・受賞校一覧

【個人賞】―中・低学年の部―(50音順・敬称略)

最優秀賞(1点)
 瀬尾 ノエル(東京・昭和女子大学附属昭和小学校2年)

優秀賞(10点)
 赤澤 泰成(徳島・徳島文理小学校4年)
 阿出川 祐輔(東京・筑波大学附属小学校4年)
 大橋 颯流(徳島・徳島文理小学校4年)
 岡﨑 正篤(東京・筑波大学附属小学校4年)
 小嶺 美音(神奈川・横浜市立港北小学校1年)
 高田 禮杜(東京・筑波大学附属小学校4年)
 東條 桜子(徳島・徳島文理小学校4年)
 戸川 壮祐(徳島・徳島文理小学校4年)
 平井 沙季(東京・筑波大学附属小学校4年)
 丸山 祐奈(栃木・作新学院小学校4年)

奨励賞(10点)
 荒井 ひとみ(東京・筑波大学附属小学校4年)
 和泉 遼紀(東京・筑波大学附属小学校3年)
 今井 清楽(茨城・江戸川学園取手小学校4年)
 榊 絢心(東京・筑波大学附属小学校3年)
 高橋 りっか(東京・筑波大学附属小学校3年)
 萩谷 俐月(東京・筑波大学附属小学校3年)
 福田 ゆら(徳島・徳島文理小学校4年)
 堀田 蓮(東京・筑波大学附属小学校4年)
 松元 莉己(鹿児島・龍郷町立戸口小学校4年)
 村下 理保(茨城・江戸川学園取手小学校4年)

【個人賞】―高学年の部―(50音順・敬称略)

・最優秀賞(1点)
 松居 暖佳(東京・筑波大学附属小学校5年)

・優秀賞(10点)
 石黒 悠真(長崎・長崎市立日見小学校6年)
 上本 菫(熊本・熊本市立託麻東小学校6年)
 小島 夕和(茨城・つくば市立学園の森義務教育学校6年)
 加瀬 翠(長崎・大村市立大村小学校6年)
 今野 ひなた(神奈川・横浜市立石川小学校6年)
 堺 理緒(千葉・船橋市立薬円台南小学校6年)
 田中 雄大(東京・清瀬市立清瀬第六小学校5年)
 田中 暖乃(熊本・熊本市立託麻東小学校6年)
 田中 陽悠(福井・福井市文殊小学校6年)
 若月 咲智子(新潟・新潟大学教育学部附属新潟小学校6年)

・奨励賞(10点)
 折原 逞士(茨城・つくば市立学園の森義務教育学校6年)
 甲斐 帆乃夏(熊本・熊本市立託麻東小学校6年)
 河野 妃夏(広島・府中町立府中小学校6年)
 鈴木 雅隆(香川・高松市立檀紙小学校6年)
 千葉 優衣(埼玉・伊奈町立南小学校6年)
 袴田 和香奈(静岡・浜松市立笠井小学校6年)
 藤原 歩美(石川・野々市市立御園小学校5年)
 本多 永和(埼玉・星野学園小学校6年)
 牧内 華乃(東京・世田谷区立瀬田小学校5年)
 山本 夏翠(東京・筑波大学附属小学校5年)

【学校賞】

・最優秀学校賞(1校)
 東京・筑波大学附属小学校

・優秀学校賞(10校)
 茨城・江戸川学園取手小学校
 福井・福井市文殊小学校
 茨城・つくば市立学園の森義務教育学校
 静岡・浜松市立笠井小学校
 埼玉・星野学園小学校
 徳島・徳島文理小学校
 東京・清瀬市立清瀬第六小学校
 愛媛・松山市立浮穴小学校
 新潟・新潟大学教育学部附属新潟小学校
 熊本・熊本市立託麻東小学校

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