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台風の際に外部と連絡が取れなくなる問題を解決 防災インフラを兼ねる公衆Wi―Fiサービスを構築

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和泊町公衆Wi-Fiのネットワーク構成図
地域イントラネット網の活用により、1台の「FS-R600DHP」で33か所の施設への公衆Wi―Fi導入を実現。平時の利用者が多いワンジョ公園には別途「FS-M1266」を使用。

鹿児島県・和泊町

 鹿児島県沖永良部島にある和泊町では、バッファローのフリースポット導入キット『FS-R600DHP』と無線LANアクセスポイントにより、防災インフラを兼ねる公衆Wi―Fiサービスを構築。2017年4月から運用を開始し、台風の際に外部と連絡が取れなくなる問題を解決した。そこで、導入経緯や活用状況を和泊町企画課の上別府立(びゅうたつる)主査に聞いた。

ランニングコストを抑え、手軽に利用できる公衆Wi―Fiを提供
 和泊町は台風の通り道になることから、町内全域に光ファイバー網を整備し、ケーブルテレビ放送とインターネット通信サービスを提供していた。
 しかし、スマートフォンなどの通信に使われるモバイル回線は地域イントラネット網による提供ではないため、災害時に回線が切れてしまうことも。「これでは避難施設から外部へ連絡をとる手段がなくなってしまうため、地域イントラネット網を活用し防災施設へ公衆Wi―Fiを整備することになりました」と上別府氏。
 対象施設は指定避難場所になっている公園、公民館、学校、役場など町内33か所の公共施設で、導入費用は総務省の公衆無線LAN環境整備支援事業を活用して負担を抑えたという。
 導入機器は競争入札によりバッファローのプランが選ばれた。アクセスログを保存できること、屋外に設置する機器は塩害に強く十分な耐環境性を保持していること、認証ゲートウェイ機器が役場内に設置できることなどの要件をクリアするとともに、「FREESPOTの活用でランニングコストを抑え、手軽に利用できる公衆Wi―Fiサービスを提供できること。加えて災害時にはネットワーク管理ソフトウェア『WLS-ADT』で、各施設の公衆Wi―Fiを利用者認証不要で通信できる防災Wi―Fiに一斉切り替えできることも採用のポイントでした」と振り返る。
 その後、キャンプやバーベキューを楽しむ事ができる屋外施設「ワンジョ公園」でも、公衆Wi―Fiサービスの提供を開始。ここでもバッファロー製品によって、通信キャリアのサービスが受けづらい問題を解決。海水浴やバーベキューなどを楽しむ地元住民、観光客の利便性、快適性を高め、町の魅力向上に役立てている。

台風時に緊急時モードを活用、思った以上のアクセス数を記録
 こうした中、台風被害に見舞われた2017年10月、初めて各施設の無線LANアクセスポイントを緊急時モードに切り替えた。「台風の中、現地に出向く必要がなく、役場から『WLS-ADT』で切り替えができたのは非常に便利でした。避難住民が多く集まった防災拠点施設『やすらぎ館』で大きくアクセス数が増えたことから、災害対策としても効果があったと考えています」と語る。
 FREESPOTの利用記録によると、運用初年度のアクセス数は約42万件。接続端末台数は1万5千台を超えるなど、災害時以外にも多くの町民がWi―Fiを利用していることが分かった。「今後は県の管轄である空港や港などにも公衆Wi―Fiを設置するべく、調整をしていきたいと考えています。島を訪れた方が手軽にSNSを利用できる環境を整えることで、町の情報を発信していただき、観光客や移住者が増えるきっかけにしていきたいと思います」と抱負を語った。

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