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スクールソーシャルワークにおけるスーパービジョン実践モデルの生成

16面記事

書評

大友 秀治 著
チーム学校へ 体制変革の道筋示す

 校長のリーダーシップの下、教職員とさまざまな専門スタッフがそれぞれの特性を生かしながら、役割分担していく「チーム学校」。貧困や虐待など現代的な課題が生まれ、チームの一翼を担うスクールソーシャルワーカーの役割がより重要になってきた。
 福祉関係機関・団体とのネットワーク構築や、学校との連携・調整、保護者、教職員に対する支援・相談・情報提供などの役割も負う。文科省は全中学校区への配置を目指す。
 2008(平成20)年度からはスクールソーシャルワーカー活用事業が先行的に実施され、一定の成果や課題を残してきた。
 本書は、1人職場で活動時間が十分でなく、単年契約が大きな企画・立案、実施の妨げになっていること、事業体制が未整備な点を踏まえながら、スクールソーシャルワーカーを「エンパワメントし事業体制を変革するスーパービジョンを明らかにし、現場に活用できるスーパービジョン実践モデルを生成しようと試みた」もの。
 とりわけ、教育委員会などに配属されたスーパーバイザーなどへの調査を通して、スクールソーシャルワーク体制をどう構築していくかを、プロセスを示しながら考察した点は参考になる。
 教員には分かりにくい背景を、スクールソーシャルワーカー側の目線で解説したものとしても読める。
(3080円 学文社)
(徳)

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