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教科書+α 絶対楽しい家庭科授業

18面記事

書評

横山 みどり・楽しい家庭科の授業を考える会 編著
やる気引き出し実生活につなげる

 「教師自身が家庭科の授業を楽しみにしながら準備を進めてほしい」。そう語るのは、本書の編集で中心的な役割を担った横山みどり・筑波大学附属小学校教諭だ。30年以上、家庭科専科を務める経験を踏まえ、提案したかったのは「楽しい授業」。その表現はよくありがちだが、ねらいや内容が大きく異なっている。今求められる「主体的・対話的で深い学び」と重なっている部分が多いという。
 「楽しい家庭科」の特徴の一つは、「授業だけで完結せず、家庭実践を支える強い意欲を育む、開いた学び」。もう一つは、それぞれの家庭に合った形で、「家族との関わりを深めること」ができること。最後は、将来にわたって必要となる実践力を育み、「自分らしく生きること」につながる学びである。
 こうした特色を踏まえ、本書では「家庭科ガイダンス」(5年)や「調理の基礎」(5年)、「中学校との関わり」(6年)など、数多くの実践事例を紹介している。「教科書を中心に授業を進める中、子どもの『やる気』を引き出す手だてについて参考にしてほしい」と語る横山教諭。題材のねらいに加え、子どもたちの実態や教師の願いを組み合わせていくことで面白みが増すという。
 教科書や指導書に示されたことを理解し、「楽しい」という視点でアレンジを加えるのは教師自身。家庭科の世界で数少ない男性の専科教諭による「オレ流☆家庭科授業の楽しみ方」や座談会の内容も収録している。
(2090円 東洋館出版社)
(斉)

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