市内小中学校全7校に、屋内・屋外問わず校内全域で利用可能な無線LAN環境を整備
10面記事無線LAN導入の対象となった小中学校7校のひとつ、にかほ市立金浦小学校
秋田県・にかほ市教育委員会
にかほ市教育委員会では、教育のICT化として効果的にタブレット活用を進めていくため、小中学校全7校の校内全域に無線LANを導入。バッファローの文教向け無線LANアクセスポイントにより、複数人が同時にタブレットで接続しても動画が途切れずに再生できる、高速かつ安定した無線LAN環境を実現した。そこで、整備にかかわった教育委員会の担当者2人に話を聞いた。
タブレットを最大限に活用するために
同市における無線LAN環境整備の大きなポイントは、教室だけでなく、校庭やプール、中庭などの校内全域まで帯域を広げて、タブレットを最大限に有効活用することだった。
「しかし、各校は当然ながら建築構造に違いがあり、全域をカバーするために必要な機器と設置場所も異なってきます。そこで、現場の下見を繰り返し、それぞれに最適と思われる導入計画を作成していきました」と相馬氏は振り返る。
その上で、決め手となる機器には「費用対効果が非常に高く、国内メーカーとして知名度と信頼性も兼ね備えるバッファロー製品を採用しました」と語るのが、菊地氏だ。
通信性能と費用対効果に加え、地域特性を考慮して製品を選定
具体的には、屋内の広範囲をカバーする無線LANアクセスポイントには、3つのアンテナを備えるトライバンド仕様で高速通信を実現し、1台の無線LANアクセスポイントで最大384台のタブレットが同時接続できる『WAPM―2133TR』を計80台。小規模な教室などは、1台のアクセスポイントで最大256台のタブレットが同時に接続可能な『WAPM―1266R』を計70台採用。
さらに、体育などの実技教科や部活動への活用も期待されている屋外には、「塩害に悩まされる土地柄に配慮し、基板へのフッ素コーティングによる耐腐食性を有した『WAPM―1266WDPR』を設置(計13台)できたのも、欠かせないポイントでした」と菊地氏。こうした地域特性を含めて、最適な性能や機能を有する商品を選定できるのも、バッファローならではの強みだ。
日々の授業だけでなく、運動場での活用にも期待
このように市内の小中学校7校で校内全域に対する無線LAN整備を実現し、2018年9月から、本格的な運用を開始。なお、運用面では、ネットワーク管理ソフトウェア『WLS―ADT』を導入して一括管理を行っているのも特徴の1つだ。
現在、各学校ではパソコン教室での授業や、グループ授業でタブレットの活用が進んでいるほか、国際的なロボットコンテストに挑戦する学校も出てきているという。
菊地氏は今後について、「ICT教育を進めていく上で十分な環境が整いました。あとはこの無線LAN環境を、今後どのように活用していくかが重要です。運動場でも無線LANが使えるようになったことで、たとえば運動会の様子をドローンで撮影し、Wi―Fiネットワークを介してその映像を校内の電子黒板に映し出す、といった新たな利用法も試せるようになります」と期待した。
最大384台のタブレットが同時接続できる『WAPM-2133TR』
屋外設置可能な耐環境性能を備えた『WAPM-1266WDPR』