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文科省主権者教育推進会議、投票率の向上へ「高・大連携し主権者教育を」

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文部科学省

 文科省の「主権者教育推進会議」は14日、第9回会合を開いた。昨年末の学校訪問の様子を報告した他、今後の主権者教育の普及に関する課題などを議論した。
 訪問先は玉川学園高等部・中等部、渋谷教育学園渋谷中学高校、都立国際高校、東京都足立区立第四中学校の4校。模擬投票を行ったり、自分が選挙の候補者になって考えたりと、各校が工夫して主権者教育に取り組む様子を紹介。訪問した委員は「生徒から直接意見を聞いたことで、彼らが一有権者としてしっかり意見を持っている様子がとても良く伝わった」と、生徒が授業に真剣に当事者意識を持って授業に臨んでいた様子を評価した。
 会合では学生以上の年齢の若者の投票率が低下傾向にあることから、高校と大学の連携をより深めていくことが投票率の向上につながるとの認識で一致した。
 また、「主権者教育に積極的に取り組む学校の方が特殊だという状況が依然続いているように感じる」という意見も出るなど、主権者教育が普及していない現状についても目を向ける必要があるという指摘があった。
 この他、複数の委員が「現場の変化に合わせ文科省も授業時数や人員配置などに配慮することが必要不可欠だ」と強調した。座長を務めた篠原文也氏は会合の終わりに「これからは学校だけでなく、家庭での主権者教育も問われる」と学校と家庭の連携についても触れた。
 主権者教育推進会議は2018(平成30)年に始まった。選挙権年齢・成年年齢の18歳への引き下げや学習指導要領の改訂を受け、主権者教育の在り方について検討を行う会議。設置期間は2020年(令和2年)3月まで。

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