モグラのねがいごと
22面記事ブリッタ・テッケントラップ 作
三原 泉 訳
地面の下のモグラは、ふと寂しくなる。毎晩、地面の上に出て星にあいさつする。ある晩、流れ星を見て「世界中の星が僕の物になりますように」と願う。目を開けると、そこら中にたくさんのはしごが空に向かって伸びていた。はしごを上り、星を取って自分の家に運ぶ。星の明かりに包まれて眠る。そして数日後、地上へ出ると真っ暗だった。広場の動物たちは星がないのを嘆いていた。モグラは独り占めしたと悔い、森の動物たちと一緒に星を空へ戻す。美しい物はみんなの物だ。(小学校低学年から)
(1650円。BL出版 Tel078・681・3111)
(望)