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子どもが考え、議論したくなる学級づくり

14面記事

書評

加藤 宣行 著
道徳教育の基盤となる日々の指導

 本書の「はじめに」に注目してほしい。さまざまな仕事を体験された著者が、最終的に教師を選び、次のように書いているからだ。
 <教師という仕事は、本当に素晴らしい。こんな楽しい仕事は他にはない、と私は自信をもって言えます>
 どんな教師論よりも、この著者の自信の方が価値がある。だからこそ、著者は教師という仕事を楽しむ生き方ができる。教職の魅力が、次の世代に伝わりにくくなった今、著者の主張は傾聴に値する。
 本書は、第1章「子どもに任せて主体的なクラスをつくる」、第2章「子どもも教師も変われるクラスを目指す」、第3章「素直な子どもを育てるための授業づくり」、第4章「特別対談」の4章構成になっている。
 読者はご自身の興味・関心に合わせて、各論を読むといい。例えば、第2章の中にある「いい先生を演じない」などは、現在の若い教師には大いに参考になるだろう。きれい事に流れやすい教師の指導の見直しを迫るからである。評者個人としては、日記指導を推奨していることが心に強く残った。
 道徳教育は、まさに生き方教育である。そのために教師はどう日々の指導を展開していったらいいのか、具体的な示唆を得ることができる良書である。
(2035円 東洋館出版社)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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