中学校 道徳の授業がもっとうまくなる50の技
8面記事山田 貞二 著
充実の具体策、自己の足りない点知る教科書
中学校での道徳は学校による温度差が激しい。力を注いでいるつもりでいても、他校からは「薄っぺら」に映ることも。
本書は道徳授業を充実させ、勤務校や自分自身に足りない視点を確認するのに役立つ「50の技」をまとめたものだ。
全7章構成で、「技」の項目は、
・道徳の達人になる前に学級づくりの達人になる
・オウム返しで肯定感を高める
・「教え惜しむ」姿勢を持つ
・座席配置の工夫で対話をつくる
・消えていく発言を「見える化」する
・思考ツールで多様な考えを交通整理する
・深い学びは「ズレ」を起こさせる発問から
―といった内容だ。
著者は、現職の公立中学校校長で、全国各地で道徳授業を公開し、講演などをしている人物。本書は、勤務校の「立志の会」での道徳の最後で、生徒から「アンコール!」の大合唱が起きた話からスタート。しかし、この「アンコール」が起きるまでには、「30年の歳月がかかってしまった」という。
30年分の試行錯誤の軌跡がぎっしり詰まり、どの年代の「教師」が手に取っても役立つ内容があふれている。
発行は明治図書。定価2000円(税別)。