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全日本教育工学研究協議会全国大会(島根大会)第45回大会開催迫る

8面記事

ICT教育特集

次期学習指導要領の実施を間近に控えて、ICTを活用した教育がますます求められるなか、教育工学に関する「第45回全日本教育工学研究協議会全国大会・島根大会」が、10月18・19日に松江市内で開催される。「日常的なICT活用が拓くクリエイティブな学びを目指して」と銘打たれたその見どころを紹介する。

日常的なICT活用が拓くクリエイティブな学びを目指して
島根大会実行委員会 深見 俊崇 (島根大学准教授)

 島根大会は、「日常的なICT活用が拓くクリエイティブな学びを目指して」を大会テーマとして設定しています。これまで全国大会が開催されてきた地域と比べ、島根県は、教育の情報化の推進に関して先導的な地域ではありません。むしろ、これからICT環境が整備されていく地域と言えるでしょう。それゆえ、全国大会を迎えるにあたって、公開で見せる「ICT活用のためのICT活用」ではなく、児童・生徒が日常的にICTを活用できるような指導や環境整備の基本方針を共有できる場にしようと共通理解を図って参りました。
 そして、新しい学習指導要領で目指される「主体的・対話的で深い学び」を実現するにあっては、「深い学び」を引き出す題材や活動が児童・生徒が心から考えたい、取り組みたいと思う「主体的な学び」、そして仲間・教師・書籍・専門家等との「対話的な学び」を引き出します。このような学びを象徴するのがテーマに掲げた「クリエイティブな学び」です。新しい学習指導要領で育成が期待される「情報活用能力(情報モラルを含む)」は、そのような学習の中でこそ育まれると考えられます。
 公開授業校である木次小学校、斐伊小学校、寺領小学校、西日登小学校、木次中学校、島根県立三刀屋高等学校の6校は、各校の指導担当者と共に大会テーマをいかに実現するかの研究協議を重ねて参りました。本大会は、その成果を全国の教育関係者の皆様にお見せし、忌憚のないご意見やご助言をいただける好機であります。是非とも各校の公開授業をご覧頂き、研究協議への積極的な参加をお願いしたいと思います。
 大会1日目の午後には、パネルディスカッションとして各校の指導・助言にあたってきた研究者・指導主事がそれぞれの学校における実践を踏まえ、「日常的なICT活用が拓くクリエイティブな学びを目指して」という島根大会のテーマに基づき今後の「教育の情報化」のあり方を探ります。授業公開で見られなかった学校における実践の特色や児童・生徒の学びについて俯瞰できる場でもあります。
 大会2日目には、108件の研究発表がのべ22会場で行われます。研究発表では、様々な知見や情報の交流、そして活発で実りある質疑応答から発表者も聴講者も学びが深まり、「教育の情報化」の発展につながる場となることを期待しております。合わせて、教育関連団体、NHK、教育関連企業が主催するワークショップも8つ開催されます。プログラミング教育、情報活用能力の育成、ICTを活用した授業づくり、テクノロジを活用した授業改善等、いずれも価値ある学習機会になることは間違いないでしょう。研究発表と共に積極的な参加を期待しております。
 そして、大会2日目の締めくくりには、「2030年への展望を見据える」と題したトークセッションを設定しました。JAETの研究・実践をリードしてこられたJAET会長の野中陽一先生、東北大学大学院教授の堀田龍也先生、大阪教育大学大学院教授の木原俊行先生にご登壇頂き、「教育の情報化」に関する近未来の展望について熱く語り合って頂きます。
 最後になりますが、全国各地よりご参加頂きます皆様方に心より御礼申し上げますとともに、島根大会を契機に「教育の情報化」がますます発展することを心から願っております。

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