新学習指導要領準拠 学校マネジメントの視点から見た学校教育研究
18面記事早稲田教育叢書37
優れた教師を目指して
三村 隆男 編著
項目ごと、他校種からも学べる構成
本書の目次に注目してほしい。各章の総論を受けて、「小学校」「中学校」「高等学校」の各論が展開するからである。これは画期的な構成である。特に高校の教育内容が掲載されたのが、新しい時代の教育の到来を予感させる。
例えば、第2章の教科指導の総論で中学校の各教科等における言語活動例が紹介されている。これをヒントに小学校や高校でできる言語活動例を考えたらいい。これまで小・中・高校の違いばかりが、学校現場で強調され過ぎた。しかし、これからは大学も含めて、学校という教育機関が取り組むことを、共通理解することが大切になる。
小学校の教科指導の「学校マネジメントの視点」の一つに次のような項目があった。
<子どもたち全員が楽しく学習をして、活躍する場面があるか>
残念ながら中学校と高校には、この項目はない。しかし、高校のそれには<高等学校では、往々にして「教え込む授業」がまかり通ってきた時代>の文言が書かれている。この「まかり通ってきた時代」を克服していくことが、高校の授業の最大の課題であるに違いない。
このような本を小・中・高校で読み合い、お互いの実践が深まっていくことを期待したい。
(3024円 学文社)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)