SNS発信時のリスクを考えよう LINEと静岡大が教材第5弾開発
2面記事 LINE(東京・新宿区)と静岡大学は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で情報を発信する際に注意が必要な「思い込み」を防ぎ、子どもたちがリスクを想像できるようにする教材を新たに共同開発した。教材名は「リスク見える化シート」。7月20日には、東京都板橋区立志村第四中学校で同シートを活用した授業が行われた。
LINEと静岡大は2014(平成26)年から情報モラル教育に関する共同研究を開始。カード形式などの教材を作成し、無料で配布してきた。
第5弾の教材として同シートを考案した。インターネット上で起こるトラブルに対し、「当事者」から「(情報の内容を)全く知らない人」までの反応を考えることができる。
志村第四中の授業では、塩田真吾・同大准教授が講師を務めた。
生徒たちは日本で一番多い店舗などを題材にさまざまな思い込みの例を体験した後、ネット上の具体的な場面について考えた。
もし、桃太郎がSNSで鬼退治の成果を写真とともに報告した場合、どのようなトラブルが起きるか。SNSに自分のクラスの体育祭の結果を載せたら…。同シートに記入し、周りの人と話し合って展開を予想した。
情報を発信する前には、(1)賛成の人(2)面白がる人(3)信じやすい人(4)反対の人―の四つの視点を想像すると良いという。
ただ、注意すべきなのは発信者に限らない。授業の終盤、塩田准教授は「自分が発信者を傷つける書き込みをしていないか見直してみよう」と呼び掛けた。