「違い」がわかる生徒指導
10面記事滝澤 雅彦・藤平 敦・吉田 順 著
法的根拠踏まえ、教諭、管理職、教委の役目を解説
本書の特徴は、さまざまな生徒指導の問題について、法的な根拠などを示しつつ、教諭、管理職、教育委員会のそれぞれがなすべきことや考え方を紹介しているところだ。
取り上げている問題のテーマは「『嫌がらせ』や『いざこざ』が多い」「金品を取られたり暴力を受けたりした」「SNS・ネット上のトラブルがある」「対教師暴力が起きた」「不登校の兆しが見られる」「LGBTの子どもがいるようだ」など14項目。
例えば、最初の事例については、教諭の役目として、ささいなトラブルを見逃さない、厳しい言動をする前にトラブルの背景を探り事実を解きほぐし、どの場面でどうすれば良かったのかを考えさせる(人間関係を学ばせる)―ことを指摘。
管理職については、生徒同士の人間関係やトラブルに関する情報を収集し教職員に共有させることを挙げる。
「SNS」についての管理職としての対応では、苦手意識を持つ教諭もいるが、校内研修を設定してそれを払しょくすることを投げ掛けた。
職員室に置いて、課題に直面したり、校内研修を行ったりするときに、皆でシェアしたい一冊。
発行は学事出版、定価は1800円(税別)。