谷田貝　公昭・大沢　裕　監修
大沢　裕・中島　朋紀　編著
本音に迫る実践を目指して

　「考え、議論する」をキーワードに、「特別の教科道徳」がスタートした。しかし、子どもの本音を引き出さず、うわべだけのものであれば、道徳心の向上にはつながらない。こうした視点から、道徳教育のテキストとして編集された本書。全３部構成。第１部「道徳教育の理論」（第１章～第４章）、第２部「道徳教育の方法」（第５章～第１１章）、第３部「道徳教育の実践」（第１２章～第１５章）となっている。
　第１部「道徳教育の理論」では、基礎理論として道徳や道徳教育の意義を考え、その基本的な問題を教育学的、心理学的、社会学的、歴史的な観点から論じている。
　第２部「道徳教育の方法」では、学習指導要領改訂（平成２９年告示）と「特別の教科道徳」の全面実施に対応し、道徳教育の在り方や道徳科の授業方法について触れている。特に教育活動全体を通して行われる各教科等の特質に応じた道徳教育の在り方や指導方法を明確にし、道徳科の授業構成、指導方法、評価活動を取り上げている。
　第３部「道徳教育の実践」では、価値論・内容論（第１部）、方法・技術論（第２部）を踏まえ、実際の道徳教育の実践・展開、今後のさらなる充実と発展、創造を目指し、子どもと共に考え深め合う道徳教育についてまとめている。
　本書は教職を志す学生向けの道徳教育のテキスト。教育現場（研修・免許状更新講習など）での活用や、道徳教育の充実などにもつながる内容になっている。
（２１６０円　一藝社）
（斉）