新版 学校保健 チームとしての学校で取り組むヘルスプロモーション
18面記事徳山 美智子・竹鼻 ゆかり・三村 由香里・上村 弘子 編著
学校を総合的な健康づくりの拠点に
2008(平成20)年初版の「改訂 学校保健―ヘルスプロモーションの視点と教職員の役割の明確化―」を基に新版として発刊。
「ヘルスプロモーション」は世界保健機関(WHO)のオタワ憲章(1986<昭和61>年)に、その考え方と必要性が盛り込まれた。「人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」と定義する。1997(平成9)年の保健体育審議会答申「生涯にわたる心身の健康の保持増進のための今後の健康に関する教育及びスポーツの振興の在り方について」にも取り入れられた。
WHOは学校での展開例として児童・生徒、教職員、保護者、地域住民などが相互交流しながら連携する総合的健康づくり「ヘルスプロモーティングスクール」を提案してきた。中教審が提案した「チーム学校」の考え方と重なることから、新版では「ヘルスプロモーション」「チーム学校」の視点を強化し、学校保健の在り方を見直した。
特に「チームとしての学校で取り組む学校保健」(第2章)は新たな視点だろう。また、健康教育から食育と学校給食までを11節に収めた「学校保健活動」(第5章)では各節を意義と目的、法的根拠・位置づけ、健康課題と対応の基礎・基本、チームとしての学校におけるポイントの視点から整理、解説した。
健康の切り口から必要な学校像を提示した一冊と、読み解くこともできる。
(2808円 東山書房)
(矢)