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日本の教育を捉える 現状と展望

18面記事

書評

望月 重信・播本 秀史・岡明 秀忠・石井 久雄 編著
学校安全や教育機器の章も設け

 日本の教育の現状と展望、広い視野と幾つもの視点からそれを考えようとするのが本書。要点を整理し、分かりやすく話を進めるのが本書の特徴だろう。序章の「現代の教育問題をどう捉えるか」から、読む意欲は高まってくる。ここには、中央教育審議会答申から垣間見られる教育に関する問題だけでなく、新旧の教職課程の変化が表とともに示される。免許法からいかなる教育職員が求め望まれるかを考えようとしてか。早速、本書の構成に目を向ける。
 15章構成(序章を含む)の本書は、各章とも「○○をどう捉えるか」の章題で書かれる。どう捉えるかと読む人に課題を示す。そして教育の現状と展望を示す。これを読めば(1)学校(教師)が解決すること(2)行政や制度上解決すること(3)保護者や社会が解決することが、各章ごとに明確になる。章立てを見れば、学校制度、教育法制、学習指導要領、学校、教師、生徒指導、授業、家庭・地域との関係など、教師として承知しておくことを網羅する。
 子どもをどう捉えるか、学校の安全、異文化理解をどう捉えるか、教育機器の章は、類書で見掛ける機会が少ない章だろう。約200ページの本書だが、各章のページ数は均等。この辺りも読み手に対する工夫だろう。教育を仕事とする人、関心を抱く人、教職を志望する人が必要に応じて章を選んで読むといい。
(2484円 学文社)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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