教務システムの効率化に向けて 「スクールマスターZeus」にリプレース
14面記事シンプルな画面で誰でも直感的な操作が可能
錦城高等学校
教員の校務処理に係る手間や時間を軽減するため、錦城高等学校(松林博之校長・東京都小平市)では、これまで使い勝手の悪かった教務システムを見直し、2018年度から私立小中高校向けトータル校務システム『スクールマスターZeus』(ウェルダンシステム株式会社)に移行した。そこで、本格稼働から約1年経った現在の評価を、同システムを管理する芦澤 貴央・情報科主任に聞いた。
課題だった煩わしい転記作業を自動化
芦澤 貴央 情報科主任
使い勝手の悪いシステムを変更したい
「国際社会に通用する人間づくり」と「実学の徹底」を建学の精神に掲げる錦城高等学校では、生徒全員が4年制大学進学を目指す中で、1年次では基礎学力の向上に力を入れ、2年次からは希望進路に向けたコース編成を取り入れるなど、2020年度より実施される大学入学共通テストに向けた密度の濃い授業内容を実施している。
こうしたなか、教職員の間で課題になっていたのが既存の教務支援システムの使い勝手の悪さだった。「本校では職員室にある専用のPC6台で約80名の教職員が校務処理を行っていますが、指導要録の一部の内容が調査書に反映できないなど関係帳票のデータ連携が図られていないため、教員は何度も同じ操作をする手間がかかっていました。したがって、作業が集中する時期には順番待ちになることも多く、使いやすいシステムに変えてほしいという声がずっと挙がっていました」と芦澤教諭。
たとえば成績入力では、同じ科目・授業であっても履修対象者のホームルームごとにしかできなかったため、その都度再計算を強いられることで保存漏れや転記ミスも多くなっていたという。
学校独自のカスタマイズにも対応
そこで、このような事務作業の効率の悪さを改善するため、新しい教務システムとして導入したのが、私立学校に特化した教務システムとして豊富な実績を持つ「スクールマスターZeus」だ。
本システムは「スピード」と「柔軟性」に優れたデータベースソフトFileMakerプラットフォームを採用することで、学校独自のニーズに合わせた段階的なシステム構築を実現できるのが特長。加えて、データの登録作業についても学籍情報や成績情報を完全に一元化し、一度入力すれば関係帳票に自動的に反映されるため、課題だった煩わしい転記作業も大幅に効率化できる魅力があった。
「さらに以前のシステムより初期費用も抑えられ、競合他社では難しかった、本校の状況に合わせたカスタマイズにも柔軟に対応してくれることが決め手になりました」と採用した理由を語る。
感覚的には作業の手間が半減
導入後はシンプルな操作性もあって順調に活用が進んでいる。これまで履修登録は定期考査ごとに行う必要があり年5回も実施していたが、スクールマスターでは年度当初のみなり、成績の順位更新も1コースあたり20分もかかっていたものが、全コースの計算が20分あれば完了できるようになった。しかも、自動的にデータが保存されることで、最初から入力をやり直すような心配もいらなくなったと指摘する。
その上で、以前はできなかったデータをCSV形式で書き出しできることに触れ、「教員は自分のPCで登録作業したものを教務システム専用のPCに取り込むだけで済むようになり、忙しい時期でも順番待ちすることはなくなりました」と効果を挙げた。
このような多くの場面で作業時間が短縮できることで、教員が生徒に向き合う時間も増え、入力ミスも減ってクレーム等も少なくなったと芦澤教諭。「入力時間の短縮によって、私自身も立ち会う時間が減ったことを考えると、半減とはいかないまでも、感覚的にはそれぐらい効率化したと思います」と手応えを感じている。
円滑な運用を支えるアフターケア
一方、導入後のアフターケアとして、学校現場の業務に精通したSEが対応してくれるのも、システムを円滑に運用する上での強い味方になっている。「以前は困ったことがあっても対応が遅れがちでしたが、今はその日のうちに電話や訪問で対応してくださるので大変助かっています。さらに、1カ月前からはリモートで検証してもらえる環境も整ったため、より効率化されたと感じています」
今後は1年間稼働した中から出てきた改善点に少しずつ着手していくとともに、生徒が作成する調査書の元になる「ポートフォリオ」との連携にも意欲を見せる。「教員が本来の仕事に専念するためには、優れた教務システムが不可欠です。何より成績処理に余計な手間をかけずに時間短縮を図りたい学校には、スクールマスターをお薦めしたいですね」と笑顔で語ってくれた。