スクールリーダーが取り組むべき８つの重要課題
現代学校経営研究会　著
「現代的課題」対応のヒントも

　長い書名の本だ。これに、副題“スクールリーダーが取り組むべき８つの重要課題”が付く。書名の実現のために、副題に目や心を配れと読んだ。現代学校経営研究会（小島宏代表）の著作・編集だ。過去の実践を大事にしながら、新しいテーマに取り組む姿勢と構えは、誠に貴重な一冊だ。
　さて、本書は“スクールリーダーが取り組むべき８つの重要課題”に即して章立てしてある。これまた、活用に便利だ。各章は(1)新学習指導要領が目指すもの(2)新学習指導要領を具体化する「学校経営案」の作成(3)新学習指導要領を実現するカリキュラム・マネジメント(4)「現代的な教育課題」への対応のヒント(5)人材育成(6)学校運営のPDCA(7)学校の危機管理(8)保護者や地域住民の理解と協力。校長には学校経営が、副校長・教頭には、学校運営を適切に行うことが求められている。さらにミドルリーダーにも、学校運営の参画意識と積極的行動が求められている。
　特に４章の「『現代的な教育課題』への対応のヒント」には注目したい。“学校に押し寄せる「現代的諸課題」”に、直ちに対処する必要があるからだ。また、「学校の危機管理」と、「人材育成」の章も見逃してはなるまい。評者は、校長が“人材育成”にどれだけ目を向けるかが、大事と考える。「外注」だけでは、できないから…。
（２４８４円　学事出版）
（飯田　稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授）