小学校で使いやすいプログラミング教材
8面記事子どもたちが試行錯誤する様子を見守る露木教諭
楽しみながら思考力高める「GLICODE(R)」
学び合いを引き出すツールに
次期学習指導要領でのプログラミング教育必修化に備えて、小学校では具体的な指導法の検討が始まっている。
こうした動きを支援しようと、江崎グリコでは子ども向けプログラミング教材「GLICODE(以下、グリコード)」に、大学有識者や小学校教員の意見を取り入れた授業用コンテンツを追加し、学校現場への提供を開始した。
「グリコード」は、お菓子のポッキーとタブレット等を組み合わせて使うユニークな教材。ポッキーを所定のルールに従って並べてプログラムをつくり、キャラクターに指示を出して課題をクリアするゲーム感覚の内容だ。
「授業用コース」は、小学校低・中学年での活用を想定。難易度の異なる12コースを楽しみながら、「シーケンス(順番に実行)」や「ループ(繰り返し)」といったプログラミングの基本概念を理解し、論理的思考力を高めることができる。45分授業に対応した指導案なども充実しており、プログラミング指導経験の少ない教員でも扱いやすい。
先日、柏市立十余二小学校の3年生が、「プログラミングを楽しく学ぼう」と題した授業で「グリコード」に触れた。
授業の冒頭で露木新教諭は、信号機が「青、黄、赤」と規則的に変わることをスライドで示し、こうした一連の動作をシーケンスと呼ぶことを説明した。
子どもたちは教材の基本操作を確認した後、グループに分かれて1―6までのコースに取り組んだ。この日は3~4人で1台のタブレットを共有し、ポッキーを模した教具を紙の上に並べてプログラムをつくった。
全グループが課題をクリアしたところで、教諭は再びスライドを示し、信号は「青、黄、赤、青、黄、赤…」と一定の動作を繰り返していることを説明。「コンピュータで『青、黄、赤』を1セットにして繰り返す命令をループと呼びます」と伝えた。
後半は、このループの考え方を活用して2―1以降のコースに挑戦した。使える教具は6個に限られているため、前半より難易度が高く、「あと一個足りない」「どこか繰り返せない?」とタブレットを囲んで話し合う場面が多く見られた。難しいコースをクリアしたグループからは、「できた!」と大きな歓声が上がっていた。
「ポッキー(教具)という具体物を並べて考える活動は、子どもが意見を出しやすく、教え合いも生まれやすい」と教諭。「普段、発言の少ない子どもも積極的に関わったり、グループをまとめたりする姿が見られ、活発な活動になった」と今回の授業を振り返っていた。
柏市では平成29年度から全ての小学校でプログラミング教育を導入しており、4年生以降ではプログラムを使った作品づくりなども行う。露木教諭は、「その前段階となる2年生後半から3年生初めにこの教材で授業をすれば効果的だろう。考える手順やループの概念などが身につき,その後の作品づくりに役立つ」と話していた。
「グリコード」の教材アプリと指導案などのデータ類は無償で利用できる。江崎グリコでは今後も教材の提供等を通じて、小学校でのプログラミング教育をサポートしていきたい考えだ。
【グリコード公式サイト】http://cp.glico.jp/glicode/