押し寄せる課題の解決へ 学校を支援
2部1面小林 幹長 日本教育新聞社代表取締役社長
新年明けましておめでとうございます。旧年中はいろいろとお世話になり、まことにありがとうございました。
さて、昨年末には、教員の働き方改革を検討してきた中央教育審議会は、答申素案「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」をまとめています。
併せて、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」(案)も提示されました。
多忙化が指摘されて久しい教員の働き方が近年、これほどクローズアップされたことはありません。その改善にはさまざまな課題が横たわりますが、まさに「持続可能な」教職生活を実現するための工夫と覚悟が求められることになります。
学校の職場が“ブラック”と評されることで、若い有為な人材が進路先として教職を遠ざけている傾向は、子どもたちの将来、教育の未来を考えたときにも、憂慮すべき事態を招きかねません。
今こそ、社会全体で教育を支えていく機運の醸成が必要です。
東京オリンピック・パラリンピック開催の2020年を目指し、小学校では新学習指導要領の全面実施に向けた準備が進んでいます。2021年度に中学校、2022年度から学年進行でスタートする高校と、刻々と本格実施の時が迫っています。
「主体的・対話的で深い学び」をどう実現するのかは、各校種で共通する課題です。
今年4月からは小学校に続いて、中学校でも道徳の教科書を使った授業が開始されます。全国学力・学習状況調査では、英語4技能に焦点を当て、中学校での調査教科に初めて「英語」が導入され、話す力も試されることになります。
新たな学校づくりに向け提唱されている「チーム学校」や「学校を核にした地域づくり」も道半ばです。
多忙化解消が叫ばれる一方で、学校現場には、今年もこうしたさまざまな変化の波が押し寄せ、それに伴う課題の克服が求められます。
難局の時を迎えて、日本教育新聞では、各地の先進的な授業、学校経営の取り組みを紙面化し、中央、地方での教育改革の動向を詳細に報道するため、本年3月からの紙面改訂を予定し、学校現場を支えてまいる所存です。
昨年10月には、日本教育新聞電子版「NIKKYO WEB」をスタートさせ、デイリーニュース、動画などコンテンツの充実を図ってきました。
今夏には「高大接続システム改革」を視野に、全国的な「夏の教育セミナー」開催も予定しています。
本年もなお一層のご理解と、ご支援を賜りますようお願い申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。