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ブラック校則 理不尽な苦しみの現実

16面記事

書評

荻上 チキ・内田 良 編著
校則の功罪、克服への示唆も

 校則は、学校が内部管理の必要から定める規律・基準である。児童・生徒については、その定めが子どもの人権保障に関わることを十分に承知すべきである。だが、本書の書名に注目しよう。不条理な校則の呪縛が、子どもを苦しめている現実がある。髪の毛が生まれつき茶色の子どもが、黒染めを教員から強要された。女子の下着の色のチェック等は、現実にあったこと。校則運用の在り方が問われる。一人でも多くの子どもが、理不尽な目に遭わなくて済む社会へ前進を図りたい。
 こうした意図の下に、本書は3部構成。第1部が「調査から見えるブラック校則の現状」。2018年2月調査のデータが詳細に報告されている。学校の管理項目の多元化と指導の画一化で、新たな管理項目が急増している。続く第2部は「子どもたちの理不尽な苦しみ」である。ここで編著者の内田良准教授(名古屋大学大学院・教育社会学)が、「校則のもつ二面性」を指摘する。第3部は「ブラック校則をなくすには」である。校則は、どのように定めるか。
 ここで「教師から見た校則の『功罪』」の章が立ち、「学校だけが悪者なのか?」にも当然ながら話は進む。そして「『ブラック校則』から『ホワイト校則』へ」(対談)で2人の編者が論じ、巻末の“ブラック校則 想定問答”とともに、現状脱出・克服の強い示唆がある。
(1620円 東洋館出版社)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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