暴言で自死したバレー部員の遺族が文科省に要請
岩手県立不来方高校バレーボール部に所属していた男子生徒が今年7月、指導を受けていた教員から暴言を浴びせられた後、遺書を残して亡くなったことを受けて、生徒の父と代理人弁護士は19日、文部科学省を訪問し、平成25年の「スポーツ界における暴力根絶宣言」の具体化状況を全国で調査することなどを要請した。全国高校体育連盟、全国中学校体育連盟などが策定した同宣言は、指導者に対し、「暴力行為は人権侵害であることを自覚する」などを掲げている。
文科省・スポーツ庁の担当者との面会後に記者会見した新谷聡さんと草場裕之弁護士によると、亡くなった生徒を指導していた教員は前任校でもバレー部を指導。暴言を浴びせるなどして不登校となった部員がいた。被害者との間で民事訴訟となり、現在も係争中。
亡くなった生徒は、「背はでかいのに一番下手。おまえの責任だ。高校総体でまけたのはおまえのせいだ」などと言われていたという。今月10日の県議会ではこの問題に関して、教育委員会側から、「強豪校なので、そういう指導は生徒の能力を開花させるため普通のことと評価している生徒もいる」といった発言があった。