変形労働時間制で介護・子育て中は「困る」が6割、連合調査
日本労働組合総連合会(連合)は18日、公立学校の教員の勤務時間に関するアンケート調査の結果を公表した。平日1週間の学内勤務時間が平均52・5時間、土日勤務は平均3・2時間だったことが分かった。「(勤務)時間内に仕事が処理しきれない」に「とてもそう思う」「まあそう思う」と答えた教員は82・8%に上った。
調査は9月、連合に加盟する日本教職員組合以外の教員も含めた1000人から聞いた。学内での勤務時間を校種別にみると、中学校が最も長く、週平均「60~65時間」が29・3%、「70時間以上」も13・0%いた。
中央教育審議会では昨年8月、学校の働き方改革に向けた緊急提言をまとめ、教員の勤務時間を客観的に把握するよう求めているが、今回の調査では、「(学校で)出・退勤時刻の把握は行っていない」と答えた人が12・6%に上った。把握の方法で最も多かったのが「出勤簿」(41・5%)、「(教員の)自己申告」が33・1%と、勤務時間管理が学校現場に浸透していない実態が浮かんだ。
また、中教審では長期休業期間に休みをまとめて取得する「変形労働時間制」の導入を検討している。調査では「夏休みの勤務日を減らすことは現実的か」を聞いたところ、66・7%が肯定的な回答をしたが、「介護や子育て中の教員は困るか」にも59・0%が、「そう思う」と答えた。
記者会見した連合の相原康伸事務局長は「文科省が何を目的に変形労働時間制を導入しようとしているのかが分からない」と述べ、導入に否定的な考えを示した。
調査結果はウェブサイトで公表している。