変形労働時間制が争点「夏休みの使い方も議論を」
教員の働き方改革を話し合う中央教育審議会の部会が15日に開かれ、勤務時間の管理と超過勤務の削減について議論された。文科省から学校の長期休業期間などに休日をまとめて取得する「変形労働時間制」の説明があり、有識者からは導入を支持する意見が出た。一方、夏季休業期間の研修や部活動の大会の整理を同時に進めるよう求める声も上がった。
変形労働時間制は、1週間の勤務時間が40時間を超えないことを条件に、勤務時間を配分する仕組み。授業のない長期休業中の勤務時間を超過勤務分に充てることで、まとまった休みが取得できるようになると期待されている。国立大学の附属学校では9割で導入されているが、公立学校では法律の適用外とされている。
この日、文科省が導入した場合のイメージを公表した。学校の長期休業期間から学期中に勤務時間を週3時間割り振った場合、8月の勤務時間は「97時間。年間15日間の学校閉庁日に相当する」などの例を示した。ただ、長期休業期間には初任者や中堅教員向けの法定研修のほか、部活動の指導や大会が多く組まれており、どこまで休みを取得できるかは不透明だ。
有識者の一人、全日本中学校長会の富士道正尋事務局主事は「夏休みには部活動や補習など地域・学校によってさまざまなニーズがある。この期間をどのように活用するのか、働き方改革だけでなく、トータルなパッケージで議論する必要がある」と指摘する。
中教審は12月に答申をまとめる見通し。