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日本語指導の目指す資質・能力の設定を 文科省有識者会議

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文部科学省

 外国人児童・生徒への教育の充実策を議論する文科省の有識者会議は25日、会合を開き、次期学習指導要領に向けて、今後の日本語指導の在り方を意見交換した。委員の意見発表では、日本語の習得のみに偏らず、目指す子ども像や、どのような資質・能力を育成したいかを示す必要があるなどとする意見が出た。
 学習指導要領の改訂に向けては、多様な児童・生徒を包摂する柔軟な教育課程の実現が論点となっている。日本語指導のための特別な教育課程については、母語の力も活用しながら、日本語で各教科を学ぶことができる体制づくりが必要だとしている。
 会合で東京学芸大学の齊藤ひろみ教授は、現在の日本語指導が日本語の習得に偏る背景には、目標とする資質・能力や教育内容の指標が示されていないためだと説明した。
 また、来日した年齢や来日期間などによって子どもに求められる日本語能力も異なるため、それぞれの実態に応じた目標設定を求めた。日本語指導と学校全体の教育活動の連携についても議論の必要性を訴えた。
 筑波大学の徳永智子教授は、学校関係者は外国につながる子どもを「日本語ができない」「学力が低い」「問題行動が多い」と一方的な捉え方をしがちだと指摘。欠陥を取り除くという見方から、子どもの強みを引き出す方向に発想を転換していくよう訴えた。

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