外国人児童・生徒への指導充実へ 文科省有識者会議が初会合
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文科省は4日、外国人児童・生徒への教育の充実策を検討する有識者会議の初会合を開いた。学校の指導体制を始め、外国人児童・生徒の進学・就職機会の確保策など総合的に議論する。委員からは、教員養成・研修での外国人児童・生徒指導に関する内容の充実を求める声や、多様な子どもを受け入れるための学校づくりの必要性を訴える意見が相次いだ。
外国人児童・生徒は昨年度、全国の公立学校に13万8714人が在籍。直近10年間で6万人以上増加した。日本語指導が必要な外国人児童・生徒の数は10年前の2・0倍となっている。
初会合である今回は、各委員の問題意識を共有した。
筑波大学の徳永智子教授は、外国人児童・生徒一人一人の強みを認識し、伸ばしていく支援が求められていると指摘した。その上で多文化共生に関して教職課程や教員研修などで学ぶ機会をつくることを求めた。また、教員養成について鳴門教育大学の佐古秀一学長は、教室に外国人児童・生徒がいることを前提とすることが必要だとの考えを示した。
弘前大学の吉田美穂教授は、外国人児童・生徒が比較的少ない「散在地域」では、教育課題としての優先度が低くなりがちで、支援経験がある人材が少ない状況で、どう支援体制を作っていくかに課題があると話した。一方で、外国人人口が多い「集住地域」である横浜市教委の横溝亮指導主事は、爆発的に増加する中での受け入れ体制づくりや、教員研修の充実が課題だとした。