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よくわかる!すぐ始められる! 学級経営をガラリと変える「超実践的」心理的安全性アプローチ

17面記事

書評

田中 翔一郎 著
気兼ねなく意見を述べるには

 いじめや不登校に隠れているようだが、学級崩壊も依然として大きな課題である。私の勤務した自治体でも各小学校に1クラスは困難な学級があるといわれた。
 著者は自らの経験を踏まえ、学級経営に焦点を当てて本書を書いている。その中心は「心理的安全性」である。心理的安全性とは「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」としている。
 その前提としてまず、効果・効率が良くなかった取り組みを幾つか挙げている。「いいとこ見つけ」「ノートのコメント返し」「丹精込めた学級通信」等、覚えのある人が多いと思う。
 さらに教室には不安が蔓延しているとして、無知だと思われる不安―など四つの不安要素を示し、その上でなぜ心理的安全性が実現しにくいのかを述べている。
 また学校における心理的安全性について、

 (1)話しやすさ
 (2)助け合い
 (3)挑戦
 (4)新奇歓迎

 ―の四つの因子を提示する。職員室の心理的安全性にも触れる。
 金八先生をはじめとする多くの学園ドラマでは、生徒たちが気兼ねなく意見を述べ、助け合うシーンが満載だったように、心理的安全性とは新しいことではなく、以前からあった。良い教師とは集団の雰囲気づくりにたけた人をいうのだろう。多くの学級担任に読んでほしい一冊だ。
(2420円 学事出版)
(中村 豊・公益社団法人日本教育会事務局長)

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