18歳の壁 どう乗り越えるか
17面記事
和田 秀樹 著
人間関係・勉強など40項目 解説
中高生の生き方に影響を及ぼす、価値のある書だ。教員や保護者にも読んでほしい。
「自分自身を知る」「親とのつき合い方」「友だちとのつき合い方」「学校とのつき合い方」「勉強と受験勉強」「健康的な生活」の6章で構成。章ごとに5~9項目を挙げて解説。総計40項目ある。いずれも、中高生の生活に密着した、関心の高い内容を網羅している。
本書の魅力は3点あると思う。
1点は、あとがきに、「きれいごとでなく、世の中を生きてきて感じた正直な話を書いたつもり」とあるように、端的で分かりやすく、思春期の心に浸透する内容だ。中高生には本物の話を見抜く力がある。
2点目には、これまで著者が歩んできた幅広く豊かな経験や経歴に基づいた書であるということ。このため説得力がある。
著者は、東京大学医学部を卒業し、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長、和田秀樹の親塾代表・緑鐵受験指導ゼミナール代表。高齢者専門の精神科医として、35年以上にわたって、高齢者医療の現場に携わっている。著書多数。
3点目は、40項目のうち、どの項目から読んでもよい。何かにハッときたら、それを試してみる。試しながら自分で考える。そんな自由さと楽しさのある書だ。
中高生にとって、座右の書となる一冊。
(1430円 金の星社)
(谷 智子・高知市教育委員会委員)