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一刀両断 実践者の視点から【第650回】

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論説・コラム

菓子パンなど盗んだ教諭

 鹿児島県で小学校教諭が窃盗の疑いで現行犯逮捕されたという。おにぎりと菓子パン、合わせて2,500円分ほど盗んだようである。
 この記事を読んで、近年続く教育現場の不祥事の影響も背景にあるのではないかと考えさせられた。というのも、不祥事の影響は子どもたちや教師に大きな負担を強いるからである。
 容疑者が「会計を忘れていた」という可能性もあるが、記事の内容からは常習性も疑われる。
 かつて、子どもが万引きをした際、学校が警察に通報せず、保護者が代金を支払って「購入したことにする」対応が行われることもあった。しかし、警察と連携し、警察署に連れていって、その場でお灸をすえる指導の仕方もある。
 この教諭に対し、学校側はどのような対応を取るのだろうか。これほどの犯罪に至るまで、日頃から不審な行動があったはずである。
 また、おにぎりや菓子パンを盗んだという点から、容疑者はどのような家庭で生活していたか気になる。そもそも、責任能力があったのかさえ疑問が残る。
 こうした事態を防ぐためにも、教育現場では互いを支え合い、励ましや笑顔を増やして、周囲の異変に気づく感性を磨くことが求められるのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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