ライフコーチの視点から 現代を生きる子ども・若者のリアル【第23回】
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自分に嫌われるのと、人に嫌われるの、どっちを選ぶ?
先日、高知県南国市公立中学校の道徳・人権講演で話をさせていただいた。
全校生徒に向けて「どうせ自分なんてから、大切な自分へ」というテーマで。
「どうせ自分なんて」という言葉は、誰もが一度や二度は口にしたことがあるのではないか。
私自身40年近く、どうせ自分なんてって自己否定を繰り返した過去がある。
父親のアル中、両親の離婚、祖父母に育てられる経験など、幼少期からの私自身の人生とそこからの学びをシェアしながら、途中たくさんの問いとワークを交え彼らの人生について考える時間をつくっていった。
マイクを向けると、笑いを取りに行く子もいたり、積極的に答えてくれる子もいて、人によって様々な答えがあること、違いがあることは感じてもらえたように思う。
最後の質疑では、「人生最後の日、三橋さんはどんな人生だったと言いたいですか?」なんて、私のことを聞いてくれたり
「一歩踏み出す勇気が出ない時は、どうしたらいいか?」なんて質問も。
一人だと勇気が出ないなら、人の力を借りてみるのもいい。
そもそも、あの場で手を挙げて発言できること自体が、勇気ある行動だよって伝えてみたり。
他にも、先生たちのお力も借りて、勇気が出ないとき、勇気が欲しい時にどうするか、いろいろな答えを伝えてみたりもした。
この会の前半で、ある質問をしてみた。
「究極の選択です!自分から嫌われるのと、人から嫌われるの、どっちを選ぶ?」
ペアで対話をしてもらった後、手を挙げてもらった。
結果は…「自分に嫌われる」も「人から嫌われる」も、半々くらいだったように思う。
うん、自分が自分の意志でそれを選ぶなら、どちらでもいいんじゃないかな。
ただ、人が自分を好きになるか嫌いになるかは、相手が決めることだし、自分とは一生離れることができない。一生一緒に生きていくのは自分なのだから。
そして終了後…
講演会を見学されていたある保護者の方が、お子さんが講演後に話していたことを教えてくれた。
「最初は人に嫌われる方が嫌だって思ったけど、話を聴いていて、自分に嫌われない生き方の方がいいかもって気持ちが変わった。」と。そっか、そんな変化が起こっていたのか。
人に嫌われない方を選んで生きていくのも、自分が決めた事ならいいのだと思う。
もちろん私だって人に嫌われるのは怖いし、できれば嫌われたくない。
でも今はそれよりも、自分に嫌われる方が嫌だし、自分を好きになる生き方をしたいと思っている。
だって、一生をともにする「大切な自分」なのだから。
あなたは自分から嫌われるのと、人から嫌われるの、どちらを選びますか?
中高生の心を開く専門家/ライフコーチ三橋亜希子
各地の小・中学校、高校、幼稚園などで児童・生徒向け、教職員向けの講演を続ける。幼少期に父親から虐待を受け、学校では、いじめの標的になった経験を持つ。成人後も、自分の思うような生き方ができなかったが、東日本大震災をきっかけにコーチングを学び、独立。3兄弟の母。ホームページ(https://mitsuhashiakiko.com/)に情報多数。