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一刀両断 実践者の視点から【第646回】

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「一人職」の管理

 福島の中学校で、実績のない残業代22万円あまりを受け取っていたとして、栄養技師が懲戒免職となったという。このニュースを見て、過去の出来事を思い出した。
 こうした「一人職」の場合、金銭管理や決裁の透明性が低くなりがちであり、忙しさのあまり、十分な確認をせずに決裁書類に判を押してしまうことも少なくない。つまり、何の根拠もなく信用してしまう状況が生まれているのだ。
 今回の件では、本人も発覚することを予想していたはずだが、その後の人生を考えると、失うものはあまりに大きい。今回は給食センターでの事案だが、学校においても校長が「一人職」の業務を把握しているかというと、多くの場合「任せきり」になりやすい。
 以前、管理職選考の面接で「栄養士の職務内容」について尋ねたところ、一人として正確に答えられる人はいなかった。しかし、管理責任は明らかに校長にある。少なくとも、管理職として「一人職」の業務を適切に把握し、その重要性を意識する必要があると私は考えている。
 「知らなかった」「任せていた」では、学校というチームのリーダーとは言えない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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