デジタル教科書、無償給与対象に 方針決める 文科省WG
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中央教育審議会のワーキンググループが14日、次期学習指導要領の実施に合わせて、デジタル教科書を無償給与の対象となる正式な教科書にすることを決めた。学習内容が紙とデジタルに分かれた融合型の教科書も認め、両方の利点を組み合わせた授業をしやすくする。この日、中間まとめ案を議論し、主査一任で了承した。今後、検定や採択の在り方などを議論する。
中間まとめ案は、従来の「紙の教科書と同一内容」という要件が、デジタル教科書の可能性を狭めているという意見を紹介し、正式な教科書とすることを要望した。
一方、学校や学年段階によって現行の「デジタル教科書」(教材)の活用実態が異なることなどから、デジタルへの全国一律の移行を否定。それぞれの教育委員会が、統合型の教科書も含めた選択肢の中から選べる柔軟な制度設計が適当だとした。
デジタル教科書の検定範囲については、学習指導要領に示した指導事項が文章や図表で書かれた箇所に限定することとし、ドリルやワーク、資料集、動画などは副教材として対象外にする。QRコードの先に置かれた情報も、学習指導要領の指導事項と認められる箇所のみ教科書として位置付ける。
デジタル教科書の制度化に対しては、健康面への悪影響を指摘する声も上がっているが、中間まとめ案では「教科書や端末だけでなく、黒板や大型提示装置、教師、他の生徒など遠くを見ることが多い」などと指摘。紙の教科書が年々重くなっていることを挙げて、「通学上の負担が軽減され、身体へのすこやかな発達にも資する」とした。また、記憶や学力低下への影響については、同省の実証事業の結果を根拠に「紙の教科書と同程度の結果だった」として否定した。