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教頭・校長のための職場問題解決事典

17面記事

書評

岩田 将英 著
「教師の学力低下」も指摘

 学校では日々いろいろな問題が起きる。難しい問題に対処するのは管理職だ。書名がまず「教頭」なのは、現場の実態を反映している。
 本書は、公立小学校で活躍され学校運営にも造詣の深い著者による手引である。さまざまな問題を学校経営と学校運営、子ども、職員、保護者や地域に分けて章立てし、どこからでも活用できるつくりになっている。
 学校管理職には「サーバント・リーダーシップ」がヒントになるとの指摘や、学校教育目標や学校経営方針を浸透させるための単純だが有効な方法、校内巡視で見るべきポイント、自習計画で必ず確認すること、職員が長期の休暇を取ったときの温かい対処法など、実践的なアドバイスが豊富に示されている。
 「教職経験年数5年未満と16年以上の教師」に起きがちな課題や「5年目の勘違い」、時間外労働時間の少ない学年と多い学年の特徴、「教師の学力低下」などの実体験に基づく生々しい指摘は、学校によって違いもあろうが、大変興味深く、参考になろう。
 こうした先達のアドバイスも生かしながら自校の課題を解決し、「先生たちと一緒にがんばって、子どもたちが成長したり、感動したりする場面をたくさんつくる」喜びや、「職員室の雰囲気づくりや、先生たちが働きやすい環境をつくる」ことのやりがいを、多くの管理職の皆さんに感じていただきたい。
(2266円 明治図書出版)
(浅田 和伸・長崎県立大学学長)

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