文科省 学校侵入防止対策を強化
13面記事防犯カメラやオートロックシステムの整備を
学校内のセキュリティーが不十分
学校は子どもたちが安全・安心して過ごせるよう、来訪者を管理する安全管理対策を図り、犯罪をなくす必要が高まっている。なぜなら、過去数年の間に学校内への不法侵入事件が全国的に報告されており、おととしには埼玉県内の中学校で教員が侵入者に切りつけられる事件や、宮城県の小学校でも軽トラックが侵入し、児童3人がはねられてケガをする事件が発生しているからだ。
これらの事件の多くは、学校内のセキュリティーが不十分であることが一因とされている。例えば、校門や校舎の施錠が不完全であったり、監視カメラの設置が不足していたりするケースだ。こうした問題を解決しない限り、学校内の安全を確保することは難しいといえる。
令和7年度まで集中的な支援を実施
このため、文科省では各教育委員会に対し、不審者の学校侵入防止対策を強化するよう通達。防犯カメラやオートロックシステム、警察直通の非常用通報装置などの整備を進めるための国庫補助を設け、令和7年度まで集中的な支援を行うことを打ち出している。
支援内容は、補助率を2分の1にかさ上げすることと併せて、地方財政措置も拡充。補助下限額も400万円から100万円に引き下げることで、より申請しやすくした。
ただし、こうした設備の導入は継続的に見直しと改善を行う必要がある。防犯カメラが故障していることに気づかず、不審者が4カ月も学校内に侵入していたケースもあったからだ。重要なのは、日頃から学校周辺の地域住民との連携を強化し、不審者の目撃情報を共有する仕組みを整えることである。
このような人の目と防犯設備、双方の長所を生かして地域全体で学校を守る意識を高めていくことが大切になる。