3倍速ドッペルゲンガー
15面記事久米絵美里 著 森川泉 絵
物語の舞台は、「ドッペル再生」という技術により、誰でも気軽に少し先の未来を予測できるようになった世界。アプリに登録した自分のデータを、動画のように3倍速で再生すると、これから起きることが分かるようになるため、インフラとして定着している。例えば、テスト前に、ドッペル再生で点数を把握し、現実の自分は勉強量を調整する、といった使われ方もしている。
高校生の主人公はある日、友人から「ドッペル再生禁止」をしないかと持ち掛けられ、「どれだけ我慢できるか」競争することに。
著者は、若者たちに時間効率を重視する考えが広まる中、結果重視の考え方になり、小さな変化に気付く感性が鈍り、深い思考ができなくなる恐れがあると危惧し、執筆したという。(中学生から)
(1650円 アリス館)
(Tel03・5976・7011)