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教員不足解消で「やりがい分析を」 大学教員ら提言

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 教員不足の解消を訴えるNPO法人「スクール・ボイス・プロジェクト」(SVP)や日本大学の末冨芳教授ら有志が8日、教員養成・採用の抜本的な改善や、離職防止のために教員の働きがいを調べる仕組みの導入などを求め、文科省で会見した。教員不足解消や専門性を高められる環境整備には、処遇改善にとどまらない包括的なアプローチが必要だと訴えた。
 昨年末、中央教育審議会に教員養成改革や学習指導要領の改訂が諮問されたことなどを受け、政策提言をまとめた。
 養成・採用の改善では「特に中学や高校の免許の取得は学生にとって負担が大きい」などとして教職課程の必要単位数の精選を要望。一方で学級経営など、採用後に重要性の高い講座を充実するよう求めた。採用選考の二次試験は、複数自治体を受験できるようにすることも提案した。
 離職防止では、在校等時間の削減ばかりを強調することなく、教員のやりがいや幸福感などの指標を設け、国・自治体が結果を公表するよう求めた。
 今後審議が始まる学習指導要領の改訂に関連しては、学校現場の意見を反映することを提言。標準授業時数の大幅な見直しや各教科内容の削減などを訴えた。SVPが実施中の教員向けアンケートでは、小学校算数のそろばんや水泳指導などについて廃止を求める声があるという。
 SVP理事の武田緑さんは「学校現場の声を反映する上で、校長会や教職員組合もあるが、教員一般の代表性があると思っていない人も多くなっている。文科省にはGIGA端末を活用して広く教員の声を集める仕組みも検討してほしい」などと要望した。

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